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権利取りに躍起なメンバーで、厳しい流れを決め打てる。~'12プリンシパルS 予想~

東京10F
05 /05 2012
東京10Fは、クラスの壁が中盤に現れ、上級クラスほど締まった流れの中で良い脚を長く使うことが求められる。瞬発力の他に底力&持続力も同時に必要となる総合力勝負というに相応しい舞台。
更にプリンシパルSに特化した傾向として、後のマイラーも含まれるため、古馬戦に比べ例年テンが速くなる。

以上の基本事項を踏まえた上で、過去5年のレースを個別に見ていこう。
'11:<高速(-0.1)>35.4-51.0-34.6=2.01.0稍
テンかなり速いが、中盤が大きく緩み、上がりの速い流れ。
瞬発力が明暗を分けた一戦。逃げ馬不在ではあったが、例年と同様、テンが速くなった。それでも隊列が落ち着いてからは、前を固めた先行勢が人気薄ばかりで無理にペースを上げる訳もなく、中盤が大きく緩む結果となった。

勝ち馬のトーセンレーヴは古馬になってからはスピード&瞬発力を活かせるマイルがベストの印象だし、5人気4着したダノンシャークも古馬になって適性距離が固まってきてからはマイルを中心に使われている。
逆に2人気で10着に沈んだターゲットマシンは典型的な中距離馬でややスタミナ寄りのディープ産駒。ここではマイラー相手に完全にキレ負けした。


'10:<高速(-0.8)>35.8-49.2-34.1=1.59.1
テンは例年どおりやや速くなったが、中盤やや緩み、上がりの速い流れ。緩んだ中盤で馬群が固まり、差し馬が台頭した展開。

勝ち馬のルーラーシップは後に中長距離で活躍し、香港G1の10Fも制すルーラーシップ。大トビの走りから長く脚を使えるのがセールスポイントで、向正面から位置を押し上げ、直線に入ると更に突き放す離れ業で、ここでは力の違う所を見せた。これは力を信じて早め進出した横山典騎手の好判断で、もし前の組に付き合って上がり勝負に持ち込まれると、中盤がより緩んでマイラーにキレ負けする可能性もあったかもしれない。
7人気で2着したクォークスターは後にセントライト記念を勝ち、菊花賞でも0.6秒差9着したなかなかのスタミナ馬。
5人気3着のバシレウスは、先団で流れに乗り、早めに捲くられるきつい競馬となったが、よく粘り込んで見せた。この馬は後に9Fを中心に使われているマイラー寄りの中距離馬のイメージ。
10人気4着したヤングアットハートは、古馬に入ってからは完全に長距離馬。長く良い脚を使えるタイプでもある。


'09:<高速(-0.4)>36.1-48.4-35.4=1.59.9
中盤締まり、上がりも纏めた好ラップ。4角にあたる上がり4F目から速くなったロングスパート戦で前の組にはきつく、差し・追込に有利な展開。
6人気の低評価を覆して勝ったケイアイライジンは、3角から位置を押し上げ、上がり4Fからラップを上げさせ、終い1Fは12.4と掛かったロングスパート戦に持ち込んだのが吉と出た。後に馬券になった2度は、福島10F・函館10Fの消耗戦を差し込んでのものでスタミナ型の見立て。
1人気2着のアントニオバローズは、スピードもあるが後にダービー3着したように底力上位。距離に融通の利くタイプで、先行しながら何とか2着に残してみせた。
5・11人気で3・4着したヒカルマイステージ・イコピコは直線勝負に一発を賭ける競馬が功を奏しての激走。


'08:<低速(+1.2)>35.4-49.6-36.5=2.01.5稍
テンが猛烈に速く、上がりの掛かった流れ。
10人気で1着と激走したベンチャーナインは後に馬券圏内に入ることはなかったが、中長距離を中心に使われ続け、ダイヤモンドSで4着したほどのスタミナ自慢。
18人気2着に逃げ粘ったアグネススターチはその後、中長距離を中心に使われた逃げ馬。このレースでもなし崩しに他馬に脚を使わせてみせた。
1人気で13着に沈んだテラノファントムは後に勝った距離が9Fと8F。フジキセキ産駒であることも勘案すると、ハイラップで追走に脚を使わされ、スタミナ切れで失速。


'07:<高速(-0.4)>36.1-48.9-34.6=1.59.6
コース・クラスなりの一貫した流れ。逃げ・差し互角の展開。
1人気に応えたゴールデンダリアはその後も中距離で活躍が続いている。
4人気2着のプラテアードは後にダート8.5Fで2勝したややスピードに勝った底力タイプ。
11人気3着のコマンドールクロスはそれ以前にダート9Fを連勝した2着馬同様にスピードに勝った底力タイプ。


纏めると以下の通り。(凡例:↓速い、→コースなり、↑遅い)

【'11年】テン↓↓・中盤↑↑・上り↓
=>速いテンに置かれないスピードに加え、緩んだ中盤でしっかりと脚を溜め、終いに切れる脚を使えるマイラーが良さを出せるラップ。

【'10年】テン↓・中盤↑・上り↓
=>'11との比較で見ると、上位勢にマイル寄りの馬の姿がめっきり減った。やや中盤緩んではいるがテンがそこそこ速くなるので相応にスタミナが求められ、後に中長距離を主戦場とするタイプが台頭。

【'09年】テン→・中盤↓・上り↑
=>相応のスタミナ・底力・持続力が求められる。ここまで厳しい流れになると、前半死んだふりで直線勝負に賭ける人気薄も穴で一考できる。

【'08年】テン↓↓・中盤→・上り↑
=>極限のスタミナ・底力が必要となる我慢比べ。終いの決め手の比重は軽く、瞬発力は言わずもがな良い脚を長く使う持続力もそれほど必要とならない。ただ、この年は道悪で時計が掛かっていた中で施行されたことも少なからず影響を与えた。

【'07年】テン→・中盤→・上り→
=>最も中距離適性が求められ、底力の重要度も高い。

'11年は前を固めた組が非力な馬ばかりだったばかりに例外的に大きく中盤緩んだ。例年テンが緩むことはなく、中盤さえ'10年並に流れれば、底力・スタミナで取捨できる。
今年は(9)グランプリブラッドが逃げ宣言をしているが、(7)ステアトゥヘヴンも逃げたいタイプでハナ争いは激化しそう。それに7F・8Fあたりを主戦場にしているタイプの先行馬も多く、速い流れが予想される。ここは底力・スタミナを求められる流れに決め打って良い。

以下、9F以上のオープンクラスを中心に前哨戦を見ていこう。


○毎日杯:<低速(+3.1)>35.8-37.8-36.0=1.49.6(2位/6年)
テン速く、中盤もそこそこ流れた割に、上がりも纏めた好ラップ&好時計。差し有利の展開。
3着スピルバーグ…道悪を気にしたので外に出したとの鞍上の弁。4角9番手から差し込んだ底力を評価できる。大トビの走りで追うほどに伸びる芯のある末脚からは、いかにも直線長いコースへの適性を感じさせた。
5着フジマサエンペラー…馬場を苦にしなかったとの鞍上の弁。力は出し切ったが上位勢とは底力不足を感じさせる。順調さを欠いていたところもあったよう。
7着マイネルカーミン…番手で流れに乗るも、急流に飲み込まれ失速。展開向かなかったのは確かも、上位勢には底力で見劣ったのは否めない。
11着エアソミュール…4角の手前まで折り合いを欠くほどエキサイト。これだけ折り合いを欠いては、早々に失速も仕方ない。


若葉S:<低速(+1.1)>37.5-50.5-36.4=2.04.4
テン・中盤ともやや緩んだ割に、馬場が重く上がりも掛かった凡ラップ。前有利の展開。
5着アルキメデス…発馬のロスが痛かった。馬場が重かったにしても、同じ位置にいたワールドエースとは決め手の差を感じさせた。
13着グランプリブラッド


きさらぎ賞:<高速(-0.4)>36.5-36.8-33.7=1.47.0(1位/6年)
テン緩み、上がりの速い流れ。前有利の展開。
5着ローレルブレット…番手で流れに乗るも、上がりの競馬でキレ負けした印象。
9着アルキメデス…道中力んで折り合いを欠いた。
10着マイネルアトラクト…番手で流れに乗るもキレ負け。
11着レッドアーヴィング


ホープフルS:<低速(+0.1)>35.2-51.2-35.0=2.01.4
テン速く、中盤大きく緩み、上がりの速い中弛みの流れ。前有利で、瞬発力が明暗を分けた一戦。
8着ハイクラウン
13着マイネルカーミン…ゴール前、確かに不利はあったが脚もなかった。


京都2歳S:<標準>35.9-50.5-35.1=2.01.5
テン速い分、中盤緩んだ流れ。馬群が固まり、決め手があれば差し届く展開。
4着アルキメデス…外枠で終始外を回らされ、4角11番手から差し込んだ瞬発力を評価。着差以上に強い内容。
6着マイネルカーミン



最後に各馬の見解。

【軸馬候補】
(5)ニンジャ
500万勝ち(阪神7F)は、コース・クラスなりの一貫した流れで、この時期の2歳馬にしてはきつい流れだったようで、差し馬が台頭した展開。これを残り4Fにあたる3角から外を回り位置を押し上げ、差し切った底力&持続力は優秀。前走のファルコンSはテンかなり速い分、中盤緩んだ流れ、外が伸びるコース・馬場で差し有利の展開。得意とは言えない道悪で、しかも速いながれを前で粘り込んだ底力を評価でき、着差以上に強い内容で状態の良さが伺える。伸びやかな走りをするので軽い芝が合うタイプなので、週中の雨が残らなければさらに前進見込める。8F以下ばかり使われているし、7Fでも先行できるスピードを有するが、ここまで人気が無いなら、乗り方ひとつで距離延長にも対応可能としたい。

(8)スピルバーグ
前哨戦の中で最も底力を求められるラップとなった前走の毎日杯は、テン速く、中盤もそこそこ流れた割に、上がりも纏めた好ラップ&好時計で差し有利の展開。これを4角9番手から差し込んだ底力を評価できる。大トビの走りで追うほどに伸びる芯のある末脚からは、いかにも直線長いコースへの適性を感じさせた。あとは道悪は良くないので、良馬場でやれることを望む。

(16)サンレイレーザー
前走の500万勝ち(阪神8F外)は、テン緩んだが中盤締まり、上がりも纏めた好ラップ&好時計決着を、大きく出遅れた分を向正面で一気に位置を押し上げ取り戻し、終いもしっかり伸びた。底力&持続力ともに優秀でかなり強い内容。東京10Fの外枠を差し引いても、楽しみな存在。

【穴で一考】
(12)ハイクラウン
底力の裏付けはないが、軽い芝での切れ味だけなら重賞級。速い流れが予想される今回、道中は死んだふりで終いに賭ける競馬をしてくれるなら、飛び込んできておかしくない。

【軽視して妙味を追いたい】
(4)アルキメデス
母の産駒は短い距離を主戦場にしていること、距離短縮で臨んだ前走8F500万でのあまりに強い勝ち方、行きたがる気性からはマイラー臭い。乗り難しい馬にテン乗りもマイナスだし、人気になるようなら軽視して妙味を追いたい。

【消し】
(1)ローレルブレット
肩の角度が立っており、小脚を使うタイプなので距離延長&直線長いコースはマイナス。本質的にはもっと短い距離で小回りを使いたい。

(3)マイネルアトラクト
2着したシンザン記念は内有利の馬場で内枠を最大限活かしきった内容で、ラップほどの底力は認められない。マイルでも先行できるスピードが10Fへの距離延長で良い方にでるとも考えづらい。

(6)エアソミュール
500万勝ちの時計も平凡でここで通用する底力を認められないし、前走エキサイトした競馬を勘案して抑える競馬を選択してきたとしても、これまでのところ特に切れ味を感じもさせない。

(7)ステアトゥヘヴン
前走の500万勝ち(東京9F)は、開幕週でスローの逃げ切りと展開恵まれただけ。底力の裏付けも無い。

(9)グランプリブラッド
柔らかい・ピッチ走法で、小回りで器用さを活かしたいタイプ。東京コースの力勝負では分が悪い。

(13)オペラダンシング
今の軽い芝は本質的には合わない。週中の雨が予想以上に残っているようなら別だが。
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